シネマ フォー アイズ 2015年5月

ラ・カメラで、「シネマ フォー アイズ」を観賞しました。


『夜の心』山崎幹夫
夜の郊外の散歩が撮られてる。暗い画面。合間に挟まれるのは、長時間露光させた回転映像。
告知DMに「さまよう気持ちよさとさみしさを8ミリフィルムへの惜別に込めた」とあるように、これを最後に、山崎監督は8ミリでは映像作品を制作しなくなる。
 
その後は、かわりにHDVで制作されてきた。最新作がこれ。
 
『ディープスイーツ・ジュニア』山崎幹夫
ガラス質の火山岩を尖らせたやじりにまつわる短編映画(出演者たちのプロモーションビデオでもある)。
告知DMに「駆け抜けた」とあるように、伏線が敷かれまくってるけれど、映像内では解消されていない。なので、山崎作品を観てきた者にとっては、気になりどころ満載のストーリー、かつ、物語内物語と呼べる要素もある。後編への期待が高まる(当日パンフには多少の解題はあったけど、後篇が待ち遠しい。しかしこの当日パンフ、A4モノクロコピーの冊子なんだけど、毎回アツい。これ集めたい)。
 

 

さて、「山崎作品を観てきた者」と書いたが、何を観ていたらディープスイーツに期待を持てるのだろう?
まずは、前作『水銀の心』(共通登場人物ルカニをめぐる5つの短編によりなる)が挙げられる。繰り返される相似形ストーリーフレーム、見過ごせない小道具たち、そして、悩ましい登場人物。
両作を観ていると、ディープとルカニでは、作品をまたいで、幾つかの共通点があることに気づかされる。まずは出演者で、ルカニの「」とディープスイーツ・ジュニアは同じアイドルグループである。これは、ルカニ制作中に山崎監督が受けたPVオファーをルカニシリーズに持ち込んだためであり、ディープは(どちらが先かはわからないが)PVのオファーからはじまっているようだ。さらに、作品内における両作の共通点は続く。
 
・登場人物の名前がアイヌ語
・途中で主人公が消えちゃう★
・主人公がまた戻ってくる
 
あとは、8ミリフィルム作品になるんだけど、時間切れ。続く……
 
★この「消えてしまう」というのが、ルカニ・シリーズ以降、どうも引っかかり続けている。どう考えたらいいんだろう?
 
 
・メモ:観賞タイトルを記しておく
「ラ・カメラ シネマ フォー アイズ」(2015. 5/14 thu ~ 5/17 sun)
5/16 sat
[B]
『夜の心』2007年 14分 8ミリフィルム 監督:山崎幹夫
『ヒカリトカゲ』2002年 50分 8ミリフィルム 監督:山田勇男
『ディープスイーツ・ジュニア』2015年 HDV版 17分 監督:山崎幹夫 ~NEW
 
[A]
『往復』1986年 46分 8ミリフィルム 製作:まさきもとい 撮影・編集:山田勇男山崎幹夫
『白の上のモザイク』2015年 35分(予定) 8ミリフィルム 音楽:藤口諒太 監督:山田勇男 ~NEW