シンポジウム「フィルムの現在」〜映画フィルムの供給と制作について〜

引き続き、シンポジウムを拝聴。8ミリフィルムで検索すれば必ず知ることになる、御存知マディ折原氏、現在日本で8ミリフィルムを制作しているとすればこの人の目に留まらないことがない石川亮氏、実験映画を軸に豊富な知識を持つ末岡氏(阿佐美の先生)による濃密フィルム討議。基本的に、末岡氏から問いが出され、お二人が応答する形式。

「次世代は、どのようにフィルムと触れ合う、体験することができるのか?」と末岡氏からシンポジウムの狙いが示された。主に、8ミリフィルムの環境を対象とするとも。

マディさんのフィルム体験は、80年代中盤の「特撮」と「ぴあ」から。「8ミリ全開」にも「8ミリの行方」が問われ始めた時期を身をもって体験してしまっているそう。当時ニフティサーブの「10番会議室」が8ミリに関する“部屋”だったそうで、そうするとマディさんが現在もアナログとデジタルにまたがって活動しているおおもとがここに見られるんじゃないかと興味深い。

一方の石川さんは、祖父のフィルムの追体験からという。民俗学を学んでいたのでちょ直接フィルムを学んでいたわけではなく、隔世遺伝か。

そこでいきなり石川氏の発言。

 選択肢が狭まるほど燃える性質なんで……

ぼくのメモ帳に走り書きされた本日の名言。しびれた。シンポジウムに参加した人には、どれくらいこういう気持ちがある人がいただろう。

石川さんの「!8」の全国興行行脚のレポートは、おもしろかったし、参考になったなぁ。どのように上映会を行い続けているか、気になる人は多いはず。こういうレポートは、ぜひ逐一行ってもらいたい!

最後に、マディさんから、フィルムに関する“困難な状況”を維持していくための実効的な提言として、作り手フィルムmakerへの継続的なkeep in touch withが提案されていた。商品を買う、だけでなく、メールを送る、といったことも、その一助になるという。マディさんの活動からくる提言だけに重くのしかかる。

 

~~以上、ぼくの偏った書き連ねなので、シンポジウムの詳細は、研究会の報告に期待。